リマスターがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!

2週間遅れのタモリ倶楽部。聞きどころはリマスター云々にあらず、おぎやはぎの二人、とりわけ小木博明のベスト10。後期の曲に集中するバランスの悪さも業界っぽくなくて好感がもてるがそれに留まらず、「Two Of Us」のドラムの音だけ、とか、「Back In The USSR」イントロのジェット機SEが衝撃だとか、断片に対する個人的な記憶だけを並べていく。ビッグ・ネームを相手に薀蓄を排して臨むのは困難なこと。「タモリ倶楽部」という設定があるとはいえ、それをビートルズを相手にへらへらとこなしてしまうのはおもしろい。まるでグリル・マーカスに肉迫した評。タモリが盛り上がらないベスト10とフォローして毒を抜いていたが当方など息を呑んで見守っていた。その対極に位置する萩原健太の存在もわからぬわけではないが氏だけではNHK-BSみたいで味気ない。それにしても萩原健太の巨体に隣接する、近田春夫の萎んだ体が痛々しい。さてこのたびのリマスター、当方、モノ・ボックスを購入済み。別ミックスという理由で。たとえば「Got To Get You Into My Life」の終わらないエンディングとか。