スズキジュンゾ+河端一@Helluva Lounge

 今週は気になるライヴが続いた。週末のBearsを最優先すれば、仕事の都合その他もろもろ考慮すれば決して好き放題もできぬ腹積もりでいた。しかるに新たにマイミクとなった方から姫路のジュンゾ×河端、繊細でよかったですよ、というレポを速報でいただき、せっかく日本の片田舎に住んでいて逃すわけにはいかぬ、と仕事を終えて一路西へ。電車で神戸をお伺いするということは自動的に一泊を要することになるわけで、結局好き放題。ところで特急車内で、居酒屋よろしく数名で盛り上がるサラリーマン集団はどうにかならないものか。仕事を終えた週末だというだけで免罪符となりうるのか、それだとしたらなにか勘違いではなかろうか、年齢は自分に近そうなのが余計に恥ずかしい。鶴橋から環状線経由のJR線を選ぶ。残念ながら阪神線よりも早いので。鶴橋駅構内のコンビニでペットボトルのお茶を求めるとオマケに今はなき寝台特急のプレートのアクセサリーが付いていたので「富士」を選んだがこれは関西あたりでしか入手できないのだろうか。予約なしでHelluva Loungeを伺うのは初めて、1500+500。ちょうど幕間、ひとつめが終わったところです、と。フロアには顔見知りなく、そもそも誰もが若い。次に現れたのが髪を伸ばした痩せ身の若者がひとりエレクトリックギターをかかえて立っていた。静かな弾き語りかとおもいきやギターの音量はバンド編成に近く、更に驚いたのはそのボーカル唱法。ヨーデル風というのか、強いビブラートの歌声が押し寄せる。冷静に聴けばどうも女性らしい。さればこの方がゆうさりゆうさればということになる。タケヤリソロを逃したことが判明。次に燻裕理。あわててビデオのみ構えたが冒頭が切れた。新曲を交えて、観客の反応も良い。十八番(おはこ)のMCも楽しい。さてスズキジュンゾ×河端一をどう記録するのか、ギター・デュオならばステージ正面中央の地べたにマイクを置いてアンプの音を直接取り込めばいいじゃないかと考えていた。ところがジュンゾさんの前にマイクスタンドが据え付けられる。そうだった、これはウタモノへ河端さんが参加するパターンであることに気づいた、たしか天声人語でも触れられていたのを思い出す。ならば地べた置きではかなわぬ、さりとてHelluva Loungeには適当な置き場の類もない。そこでずうずうしくもPA前に片付けられた、空いたマイクスタンドをお借りし自らのマイクを取り付ける。ねじ穴のサイズがわからないのでガムテープにてグルグル巻きに。結果としてボーカルが強力にONに記録することができた。しかしそのガムテープでさえ拝借したもの、これでは近鉄車内の恥知らずらと同様ではないか。Helluvaのスタッフにあらためて感謝します。さてスズキジュンゾのソロは久しい。末期Overhang Partyへの参加、20 Guildersなどいちメンバーとして接する機会はあったものの、ソロはかつてLucrezia以来。そのときに比較すれば、フェイクな動きから限りなく遠ざかって歌われる。40分以上を曲間なし、Baby It’s Youは判明したがジュンゾさんのオリジナル曲が多かったか、しかし何曲聴かせるかではなく、ジュンゾさんの声に集中させるのには好都合だった。河端さんGtの寄り添い方は逆に曲ごとにきっかり変えていき、正午なりでの方法を懐かしく思い起こさせる。最後、チューニングががたがたになっていたのはさしたる事柄ではない。アンコールとしてジュンゾさんがHiroshiさんの作品を取り上げたことに端を発して最後にジュンゾ×河端×燻裕理のコラボも実現。前日のEaseに関して河端さんから当日のガンジーさんの出来が或る意味衝撃的であったとお伺いしたこともあって未練もある。しかしここHelluvaでの演奏もロックであることを譲らないアンサンブルでよかった。

  • Suzuki Junzo - Ode To A Blue Ghost (CDR)