The Return Of Human Shower @ Musica Japonica

ヒューマン・シャワーが還ってきた。…職場を早退できず、しかし宿泊なしで向かおうとすればいつものように伊賀神戸駅まで自家用車を走らさねばなりません。渋滞もなく駅に着いたところで既に18時半過ぎ、おそらくトップバッターであろうオニ(あふりらんぽ)は諦めなければならないのか、しかし最後まで努力を怠るべからず、近鉄特急に飛び乗り環状線と順調に乗り継いで、結局、半分以上は観ることができました、しかもオムレツカレーを食べながら。既に購入済みのCDR「サンウェイヴパワー」路線の弾き語りをライヴで接するのは当方お初。オニがノッてきたときの、左足を斜め内側上方へスライドするように、無駄なく自然に体重を移動させるしぐさに見とれていました。「男性が女性の足をみている間は結婚しないものだよ」てなことをコメントしていたのはジョナス・メカスの映画「リトアニアの旅への追憶」でしたが…。さて次の外人2人+石橋英子P&Vo・テルミン・Dsの邦人の組み合わせ。男性はテーブル据え置きのノイズ、女性はステージ前方にしゃがみ込んで美しいお姿もみせずペインティングを続けるばかり。う〜ん、実際には逆説的ですが邦人トリオの絡みが聴きどころとなったのではないでしょうか。「はるばるイタリーからやってきました」という紹介からいつぞやTokuzoでみた来日組のことも思い出しました。とある重鎮から「(GFR、LZを含め)来日したミュージシャンでほんとうに感動したことはありません」と思いがけないセリフを伺ったことも思い出しました。国粋主義ということではなく「はるばる」の価値観をめぐってのことに相違ありません。Dsのお名前逸しましたがお若い方が生真面目なフリージャズ的な奏法に終始していたのがかえって印象的でした。どこかで冨田勲のようなエコーの効いた女性ボーカルと思ったら英子さんではなくてテルミンでした、テルミンの奏者は背筋が伸びていていつでも絵になります。さて今宵のチャージが2500/3000+500と少々割高なのは先の来日組のためではないと当方は踏んでいます、なによりもヒューマンシャワー@Musicaを観ることが出来るからに相違ありません。心の準備は十分、さて期待を裏切ることなく、やはり!会場屋外から入場、アレン翁がBridgeで使用したような回転イルミネーションを多用しすでに「ひゅーまん・しゃわー」の始まりです(ここではせーこ姉、オニも参加です)。高知のライヴはすべて逃しているため正確を期していませんとお断りして。初お披露目時、そもそもHuman Showerとは、が提示された記念すべきライヴでした。とはいえ当初は《プログレをやる》などという情宣に惑わされて気合不十分で上阪、実際の現場に臨んだら全くの『想定外』、完敗でした。Bears成人の日を経て、音の輪郭だけは変わりなかろうと、しかしそれでも今宵唸らされました。二人の掛け合い、とりわけ河端一の台詞に反応する、レオタード姿の砂十島のアドリブの機敏さ、広範さがすばらしく、楽器との交錯がスリリングです(そのためかMusica Japonicaにもかかわらず河端さんのMCじたいなくなってしまうのがHuman Showerのしくみです)。いったいいつどこで《まったくいみふめい》のフレーズが現れるのか、その瞬間が待ち遠しく、当方にとってPink Lady Lemonadeのイントロと同様の切り札の存在です。何度でも申しますが、ばかばかしい、アホらしい、と片付けることは到底できません。このあたり、50間近の当方にとっても突き抜けた体験であったと思います。ただし現在のところその舞台として、聖地Musica Japonicaがはまり過ぎています。ちなみに前回、不覚にも映像記録できず、今回こそリターンマッチ、ともあれビデオに収めましたが、それがどうした、というところでしょうか。お二人ともDsセットになだれ込んで終演。近鉄終電にて帰宅。