佐伯一郎 これが演歌の王道だ!@はまホール

mabuya2009-05-05

小雨降るなか、はまホールへ。12時開演を少々遅刻。既にお弟子さんたちの歌が始まっている。トリを見に行くだけならば最後だけで十分に思われるところだが、恒例こどもの日コンサートの構成はそう単純にはゆかない。進行の途中にも必ず一度は佐伯一郎先生がステージに上がるので油断できないのだ。案の定早くも13時30分に客席後方から登場された(すぐにスポットライトが当たらないのでドキドキする)。毎年恒例の、観客の握手攻めに応対しながらステージへ。今年は舞台上が「居酒屋一郎」という設定で、バーカウンターを模したセットの前方にテーブル席を設ける。佐伯先生は数曲歌われた後、そのセットの客という位置づけで、幾人かの歌い手のステージの後ろに座る。昨年ほどに「椅子」を意識させない粋な計らいかと思いきや、舞台設定とはいえ、弟子たちは先生の前で歌うという、貴重な機会を与えられることになる。歌い終えた歌手に向かって佐伯先生は労いながらも、「歌詞がむちゃくちゃになってる」とかとか社交辞令たりえない鋭い一言をかけられる。活きた批評が厳しくも上品に目の前で繰り広げられる、こんなことはいまの日本ではほとんど経験できなくなっているのではないか。当方、歌手でもないのに緊張して見守る。当方、純粋に演歌を鑑賞する立場でやってくるのだが、佐伯一郎先生の男気に充てられるために訪れるのだとの思い強くする。声帯の6割を切除、とくれば彌(いや)が上でも思いが及ぶのは最近、亡くなった別ジャンルの歌手のこと。佐伯先生は歌いつづけるだけなのだが。今年も美空ひばりの最難曲「みだれ髪」を完唱される。都合でフィナーレ直前にて帰路に。