松倉如子&渡辺勝@KDJapon

昨日との気温差が10度以上。鈴鹿山麓が雪雲で隠れた景色にさらに夕闇が迫る。いつもの近鉄、いつものJR鶴舞駅、いつもの四川料理店で、イチゴと帆立のミルフィーユ・スイートチリソース和え(美味)。さくらえびのチャーハン、それとワイン(一本開封していただき恐縮)。そしてKDJaponへ向かうがまだ開場していない。今宵は開演が19時30分、僅かな行列に並んで入場すると、あれ?先着15名のDVDRがいただけない。どうやら予約先着ということだったらしい、当方としたことがなぜに再チェックしなかったのか。結局は予約だけしてやってこなかった失敬な輩のおかげでお裾分けいただけたのだが。松倉如子×渡辺勝@KDJaponも幾度目か、タイバンがないのは初めてではないだろうか(後日註:渡辺勝○周年記念もそうであった)。こういう条件に限って客がしっかり入り、しかもマツクラさ〜んとはじけるお嬢さんの姿は少なく、客層が相当に高いおじさんばかりというのはどういうわけか。マニアック、となっていることは否めない。それもよかろう、と思う。タイバンがあってお互いに刺激を、は理想だがそう簡単に口には出せない。昨夜のBearsはどうであったろう、幾分心残りであったが今宵こそ。いつもの泡盛ロックを一杯。第一部は渡辺勝ワンマン。いくつかの新曲が聴かれた。あるいは舞台曲で既出なのかもしれない。冬の薔薇、という曲が深く心に突き刺さった。第二部、松倉如子さんは赤と黒のロングスカート。初めてデュオを観たときの印象が思い出される。これはミュージカルにちがいない(原将人の口調で)。松倉さんの歌い方が演劇調という意味ではないし、松倉さんの振る舞い(振り付け)を指すわけでもない、渡辺勝という舞台で、演ずるのが松倉さんだと。でも今宵は(客層も影響したのか)松倉さんの身振りは控えめだった。渡辺勝の磁場が強かった。ピアノとギターをすばやく交代させる演奏も鬼気迫っていたし。いやピアノに据えられた照明が非現実を演出していたのか。今宵もO**さんはビデオ撮りされていたが画像は栄えることだろう。しかし当方の最大の衝撃は「窓の外は」の松倉さんのカバーだった。間奏のピアノの後、サビに戻るところで松倉さんが朗々と歌いこむバースが新たに挿入されていて、はっとさせられた。ちゃんと伴奏も伴っていたから楽譜に手が加えられていたわけだ。新鮮な響きだった。ふと思い出したのが、70年代ジャクソン・ブラウンが来日した際、何かの曲で一言、We've got togetherとスライ&ファミリー・ストーンの一節を挿入したことが某音楽雑誌で大騒ぎしていて、いったい君らはどういう人種なのかといぶかしげに思ったが、今宵の当方も曲の構成にいちいち注意を払っていて他人のことは言えないと感じたわけだった。さて松倉カバーズ渡辺はもっと早い時期に完成しそうな勢いだったが、こうしてじっくりと唄い続けていきながら完成するのも(それを刻々と見届けていくのも)なんと贅沢な時間かと思う。しかも渡辺勝ソロが先に届けられる予定だという。