望月治孝×キキミミズ@日専連ホール

夕食を車内で済ませると楽だが駅弁も飽きていたので松坂屋の地下を訪れる。各テナントとも弁当の競売状態に陥っていて、500円の鶏弁当を求めてから乗車する。初めてEX予約を利用。たしかにわざわざ金券ショップに行かなくても同等の割引がある。しかし通勤で新幹線を使うことはありえず、せいぜい遠方のライヴ(と帰省)時だけではないだろうか。久々の静岡市。1500円。いつものホールは会議室を流用しているのだが、今宵はステージ部分と椅子を並べた客席部分にときちんとスペースを分けられた準備で、しかも既にお客さんが数名居られた。急いで録音機材をセッティング。まず一曲、キキミミズ=和田さんがはしょり気味に新曲を披露し、望月さんソロへ。サックスのみ。舞台のスペースを左右する動きも自然に、気がつけば30分に近づこうとしていた。このような時間の流れが生じるときが望月治孝のベストに近くなるのではないか。このところ、梅津和時や柳川芳命とか、いわばメインストリーム?のサックス音を直に体験してきたばかりだったので、望月くんの演奏がほかにあまりないものだと思う、と同時にサックスで唄う、とはどういうことか、あらためて考えた。キキミミズ。今宵がツーマンであることを意識したはずだろう、オール・インストルメンタル。もともと弾き語りのセットでも必ずといっていいほど一曲だけつまびくようなインストが演奏され、それは馴染んでいたし、年末の浜松ではフィードバックの轟音気味のサウンドも聞けた。しかしそういったサウンド志向とは違う流れ、歌に対するインスト、ギタープレイヤーを演じるのではなく、アブストラクトな爪弾き、ブルースやアンビエントといったジャンルに帰依しない音。この窓口の大きく開かれた感覚は後で思い出せば、Richard Youngsか、とはいえ彼のライヴは弾き語りでしか経験していないが。さてジョイントで終演となるわけだが、やはりそれぞれのステージがメインであった。彼らはスプリットEP(7インチ・ヴィニール)をリリースする予定という。ムーンライトながらにて帰路に。