Acid Mothers Temple帝都襲来@秋葉原Goodman

早退して東京へ行ってきました。ライヴ目的のみで上京しないという自己規制を一時解除しました。AMTのBBSにあったように私は海外で流通する通常のAMTのライヴ形態をあまり経験していません(逆に海外で体験できそうにない無数の小さなライヴに接する恩恵に与っていますが)。恒例年末Tokuzoの3時間フェスでさえゲスト参加のお祭り仕様、オークション込みの構成で、ワンマンは経験していませんでした。上京によってAMTを観ねばという、なにやら倒錯的な使命から決意した次第です。東海ツアーズで往きはぷらっとこだま、帰りはJR高速バスのセットを頼み、今回はムーンライトながらは没としました。停車待ち時間対策としてマーラー交響曲とM.S.スブラクシュミを聴いていたらすぐに着きました。ただしぷらっとですと東京駅でダイレクトに在来線に乗り継ぎすることができなかったので焦りました。秋葉原駅でも方向感覚を失い、あまりの人の多さにこれはきっと事件に巻き込まれてしまうのではと怖くなりました。途中家電店に迷い込んだらDAT用の乾電池が叩きりされていたのでまとめて購入しました。6時開演前、大勢のビジネスマンが帰路に着く流れを避けるように会場を発見します。前売券で2500円。ハコのフライヤーには《女房を質に入れても来る価値大あり》と古風ながら耳の痛い表現が載っています。さて内容は素晴らしいの一言で済ませられるのですが、少々付記すれば今回のワンマンは4名の野郎だけで正味3時間弱。バスドラのキック音の強い、違和感のある音で幕が開きましたが間もなく河端さんのギターが浮かび上がるミックスに変わっていきました。津山さんは明日にJapanese New Music Festivalを控えるためかネタは控えめにvocalとmonster bassに徹します。一曲4,50分とはいえ飽きさせないのはエンタテインメントの一言では説明がつきません。バンドとしての魅力を改めて記せば轟音ながらいつも感じる細やかさです。音色、構成、対比…曲中でいくども波が寄せては返す高揚感、まるで男女の行為のように、細やかな進行。それに反応することのできるリズム隊などなかなか居なかったわけです。さらに今宵OHPIAには眼を見張りました。60年代に始まったこの方式を伝統芸に甘んじず、またテクノロジーに溺れることもなく進化させていることに驚きました。ステージが暗くなってしまう欠点も解消されていました。今回はオイルと交錯する幾何学模様が美しかったですし、Pink Lady Lemonadeの曲を待って登場したと記憶する、天使のシルエットを発見したときの幸福感。インドネシアの影絵は素材としてはAMTにとって《反則技》ですが、これも《南方(エキゾティズム)》を封印した意図に沿っておりOKでした。忘れていました、お客の入り、よかったです。しかも若者で占められていたのもとてもよいことでした。周縁事情を重ねれば、常々申しますように当方は決してacid mothers styleになれないと思っています。本日のライヴも「遊びに出かける」どころではなく、えいっやっという決意のもとで行われました。正直、職場から大阪へ行くのも東京へいくのも時間の違いは少ないのです。しかし上京は私の個人生活、対幻想をかかえこんだ生活では日常ではありません。MCでも揶揄されたように、できるかぎりタイバンも逃さず観て、記録しておこうと欲張っています。会場中、スタッフによるビデオカメラが数台回っていて当初からDVDとしてリリースされる計画があったようです。それなのに今宵もまた録音を敢行しました。音源をCDRに焼くと2枚に収まりません、3枚組です。この強迫性をどうすることもできないように思えるのです。とはいえ当方が体験できるAMT帝都襲来はこの初日のみです。帰りはJRバス。東京駅八重洲南口付近は日本各地へ散らばっていくバスを待つお客で混雑しており、ある種活気がありながらもどこか趣のある、現代版《上野発の夜行列車》のようで新鮮でした。車内で寝られるかどうか心配しましたが今宵やっと入手した「Unanswered Love」を聴きながら、2曲目が途中までしか記憶にありませんでした。入手物はTシャツと、

  • ZENI GEVA - Maximum Money Monster (Cold Spring) 1stのリマスター盤。田畑さんお勧めにより。
  • Makoto Kawabata - Unanswered Love (Acid Mothers Temple,CDR) 昨年夏〜秋の二つのソロの記録。
  • Acid Mothers Temple - free CDR。前売特典。しかしこれ、CDプレーヤーで再生できないんです…。