ヒューマン・シャワー、灰皿ほか@ムジカジャポニカ

休日の関西入り。伊賀神戸から乗車、名張で特急に乗り換えると偶然にS**くんと同席となったため吉野大作談義に。日が長いので明るいうちに天満駅で降りるのもムジカジャポニカに入るのも初めて。2000+500。テーブルの配置が少々変更されて後方ソファの前が少々広く空いています。前回と同様、オムレツ入りチキンカレー。トップが灰皿だというので急いで録音の準備をしましたところ、なぜか片チャンネルの音が拾えません。どこかの接触不良に違いないのですが直らないまま開演。せっかく重たいマイクスタンドを持参したというのにモノラル録音となってしまい残念な気持ちを引きずらないように演奏に臨みます。
灰皿。3人がお互いに向き合うようにセット。2月のHelluva Loungeでは不意打ちをくらいノックアウトでしたが今回は心の準備ができていたからか、あるいはアウェーからか、美技の競い合いではなくアンサンブルが重視されてていたように聴こえました。当方はこれに河端一が加わる音を想像しながら聞くという楽しみも。
neco眠る。一人がピアニカとエレクトロニクスを扱う4人編成のダブ・バンド。Bsがレイザーラモンのように(失礼)皮パンツ一枚で弾き始めます。とはいえキワモノではなく、演奏はかなりしっかりしていました。その証拠に、客席後方の空いたスペースで踊る人影。もっとも目を奪われたのはステージよりも客として来店していたぴかちゅうの身振りでした。四肢の強靭なバネ。ノリが日本人ばなれしています(こればっかりですが・・・)
さてマイクの接触不良は改善されぬまま終盤へ。ヒューマン・シャワーHuman Shower。砂十島NANIもまた海水パンツ?一枚でDsへ。互いに「ひゅーまんしゃわぁー」という台詞を幾度も変奏曲として呼びあう。これがおかしくて、砂十島は陳腐なヒーロー然としたポーズあるいは流し目気取りでポーズを決めるなど次々と過剰な寸劇仕様でエスカレートしていきます。河端一がMCではなく作品中にこれだけマイクに向かうのを聞くのはレアです。で楽器演奏に突入すれば結局弓弾きは一切なくひたすら弾きまくりです。砂十島も全力疾走。途中、70年代ディスコ風打ち込みが流れ、砂十島が「まったくいみふめい」とフレーズを繰り返しながらその歌詞どおりのダンスが挿入されたり。あるいはシンドラを使いながらの連呼。続いて再び全力疾走へ…。と記す力量のなさに愕然とするのですが、その緩急の構成が緊張感があり、全くダレません。決して自分が慣れ親しんできた音楽とはいえませんが、例えばZappaの音楽のうちHot Ratsではなくて日本でウケにくい側面に近いのでは。このユニットでいちばんの収穫は砂十島さんというミュージシャンが強く印象づけられたことです。ロック・ドラマーとしてAmazon Salivaでのふてぶてしい構えはかっこよくもはまり過ぎていました。しかし今宵の多芸さ、馬鹿らしさ、ドラマーとしては想定されたスピードに甘んじない惜しげもない技量の披露は初めてでした。告知の《まじめにやります》説明を真に受け、野郎どもばかりなら映像を撮ってもしかたなかろうなどと油断してしまいました。光宙★魔呼斗以上に観ても楽しい。当方がここ数年来、《河端一》を定点観測していく方法が続いています。おもしろいのは共演者がとても魅力的に浮かび上がってくるという、しごく当然の結論に達します。ほかのユニットではわからなかった部分。または能書きや経歴でわかったことにはならないこと。それにしてもかつてのハードレイン、そしていまではムジカジャポニカでの河端一企画は見逃せません。

  • 灰皿 - かんらく(HZCD-0002)