河端一アコースティックソロ「撥弦」@スミス記念堂

車で彦根へ。秋の交通安全運動期間中であることを考慮すれば、水口の有名な片側二車線は安全運転に徹するべきであった。さて今月のスミス記念堂は、アコースティック・インストルメンツ。2000円。既にフロア前方に木琴のような楽器が2つ、各々台に載せられL字型に置かれている。アコギやタブラの姿も。人生初のオール・アコースティックという。海外で「ツィゴイネルワイゼン」上映時はアコギ一本であったが、これは「ライヴ」とは異にするもの。かつて松阪でのライヴでも後半はエレクトリックへつながっていった。河端さん曰く「そのまま弾いたら女子十二楽坊になってしまう」揚琴という楽器。当然、河端流に弓弾き、つまびき、引っ掻きもあり、エフェクタが通されるわけだが、ミニマムながら正統に演奏する様が新鮮。後半、タブラのドローンのなか、アコースティック・ギターへ移っていく。アラビックな香り。アコースティック・ライヴと称してアコギ一本でライヴを行うこともた易いこと。しかし河端流アコースティックはギター一本でもドローンの味付けを忘れない。以前、河端さんはブログで、自らが好むJohn Faheyの盤として敢えてエレクトリック・ソロを選んだことがあったことを思い出した。決して奇を衒っているわけではない。クリシェに陥らないこと。しかし本日は思いがけずアンコールにも応じて、純然たるアコースティック・ソロを披露した。アコギこそ人生、と思考停止するのには惜しい、夢のような一瞬。