河端一 INUI@スミス記念堂

JR関西線〜草津線東海道本線。小雨交じりの車窓から、彦根に近づくにつれて空が明るくなっていった。ちょうど太陽公園と同様の事態が発生していて、晴れ男の面目躍如。JR彦根駅から徒歩にて、城内を経由し観光客気分で進む。昼食が抜けていたので夢京橋キャッスルロードにて「たこせん」をかじる。スミス記念堂は二度目ながらその小さな佇まいをみつけるとほっとする。2000円。今回は正面左右と小型ながら中央にもそれぞれPAが据えられ、ステージにて演奏する構図となった。ブズーキ、シタール、ハーディガーディを弾きながらステージ上にて卓上のアタッチメント?コントローラー?(名称知らず)を使って微細な調整がなされていく。楽器を持ち替える際に、どこにあったっけ、と言いたげに一瞬キョロキョロする仕草がライヴならでは。当方、例によってフロア後方に位置する。後方の壁に反射した音もまた美しく、この音響はかつてBlue Monkで体験したものに近い。出立は民族楽器ながらエグゾティズムを廃してその「音」を抽出していく作業は本来孤高であろうが、舞台裏をみせるということではなく、no over dubで行われたのはINUI世界初ライヴ。これだけの楽器を運搬するだけでもたいへんで(ただこれ以上の物量が運搬されたのがいつぞやのZoffy)、そうなればINUIが実現するのは中部〜近畿に限られようが、ただ近ければよいというわけでもなく、スミス記念堂で行われたのは必然にも思える。何度でも言うが、シタールという楽器を選択した時点で演者も、いや聴き手までも思考停止に陥る羽目になることから脱却するのは容易なことではない。エレクトリック・ギターも排除しないことも勝因か。予想よりも音量は小さく、一時間強のパフォーマンスであった。所要のため本日もまた打ち上げに欠席、タクシーを拾うことができれば乗車し駅へ行くつもりが流しのタクシーに一台も会えず、小走りに駅へ。

  • Kawabata Makoto - (CDR, limited 30 copies)
  • V.A.- Guitar Hero Japan (WFMU,CDR)※既出音源のオムニバス。