灰皿+河端一、The Jack and Jim Show@Helluva Lounge

早めに到着。いつものレコード店へ。ちょっとした新入荷モノを、というわけにはなかなかゆかず、ここでなければ買えないものをという貧乏根性に陥り結局インド古典音楽を。続いて吉田達也経由で知った赤萬の餃子元町店へ。土日ならば2人前からしかオーダーできないが遠慮して1人分+ビール小瓶。秘伝の味噌ダレは盛り付けられた大皿の脇に添えることを、隣の客のやりとりで知りました。幾度めかのHelluva Lounge。2000+500。ツーマンですからいきなりMothers Of Invasionから。ネーミングはジミー・カール・ブラック(70歳)へのトリビュート的意味合いもありましょうが、名は体を現す、河端一のことですから半端なアイデアではないはず、本企画が発表された段階で期待大となったわけです。灰皿、先週よりノリが違います。坂口光央(kb)が熱気を帯びると上体をぐっと前屈して顔面がキーボードに張り付くような姿勢になってその分、肘だけが捻じ曲げられたように上がっていきます。灰皿の魅力はインタープレイが果てなく上昇していく、その漸次的変化は万華鏡のように美しいものです。今宵、河端一との合体で、完結を解いてより混沌な方向へ、ジャズロックよりロック寄りへ引っ張っていったようです。とはいえ普段のAcid Mothers Temple関連と比べて遜色はありません。聞くほうにも十分な気合いを要します。幕間には開演前と同様、「パンゲア」がかかっています。さてThe Jack and Jim Show。ザッパのカヴァーはお約束としても、思いがけないカヴァー、ビートルズの「ジュリア」、ニール・ヤングの「コルテス・ザ・キラー」など選曲の意外性と、そこでの歌い、ギターの一フレーズの切り込みがよかったです。ビートルズは自分がサイケ史?を勉強する以前に聞き終えてしまいましたから、こんなカヴァーを聞くとホワイト・アルバムが堂々1968年でしたっけ、そこにすっぽり収まること、ジョン・レノンの存在感にも思いを馳せました(ニール・ヤングは70年代に入ってからなのですが)。終盤、ユージン・チャドボーンが満を持して金属の熊手を使ったパフォーマンスよりも冒頭バンジョーによるカントリーのほうがフリークアウト、サイケデリックであったと感じます。とはいえ当方が幾度も幾度も繰り返す山下達郎のフレーズ、《ブライアン・ウィルソンなんて舞台に立っただけでスタンディング・オベーション》、これがいちばんフィットしたショーではないでしょうか。先のMothers Of Invasionと合わせてこんな場に居合わせることのできた立ち見の若者は幸せ者です。若い女性客もちらほら、そんな方々にも邪魔にならないよう最前列で長時間座り込んだために足がしびれてしまいました。その趣味も終えて一安心、Helluvaも当方にとって勝手ながらくつろぐ空間と位置づけましたので、アルコールが進みます。いいちこ×なんやらという小瓶×いいちこ×いいちこロック(やたら量が多かったような…)…難波泊のために23時22分に元町乗車まではよかったのですが、大阪駅では乗車してきた客に起こされて危うく乗り過ごすところでした。

  • THE ACID MOTHERS TEMPLE & THE MELTING PARAISO U.F.O. - Recurring Dream And Apocalypse Of Darkness (Important Records,2LPs)
  • Never Ending Space Ritual - History of Acid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O. (Swordfish Records,2DVDs)
  • M.S.スブラクシュミ - Live at United Nations (Saregama India Ltd,2CD)
  • M.S.スブラクシュミ - サンギータ・カラーニディ (オルターポップ)