渡辺勝・音楽生活40年くらい記念@KDJapon

mabuya2008-05-20

開演の1930間際になんとか到着、1800+500。まず2階席の勝さんに録音の承諾をいただきました。40年くらい記念ライヴに関しては今年2月、西荻窪のライヴで既に告知されていましたが、これに先駆けて大阪・京都そして名古屋でもライヴが追加されていました。地方ではめずらしい渡辺勝ワンマンなのでお伺いしました(なんや、はしごできませんでしたスミマセン)。2階席は見晴らしが良いですがどうしても反響音が多く混じるし、中には演奏を聴いていない客も集まってしまうことが多いので避けました。《人喰いサーカス》の舞台はまだ取り払われていなかったので、フロアから舞台をぐっと見上げると少々首がきつくなります、加えて譜面台の陰でちょうど勝さんの表情が見えなくなってしまう事態のため少々後方に移動し立ち上がって楽しみました。ヱビスビール泡盛ロック。なお渡辺勝ワンマン、とはいえ松倉如子との共演です。そもそも「40年くらい記念」企画は彼女によるもの。予想されましたが選曲としては代表曲が続きます。当方の好きなシルバラード・エラはオミットされています(Old Friends除き)。とはいえ聞きどころは曲目よりもどう歌い込まれ、どんな楽器伴奏が選ばれるのか。エレクトリックギターの弾き語りもありましたし、Korg SP-100でも鍵盤の表情は十分に豊かでした(ハポンフェス設定のためピアノは舞台にもぐっていて使用できませんがいつかKDJaponでピアノを弾く渡辺勝も観たいです)。しかし今宵もっとも効果的だったのはガットギター。松倉如子のバックのいくつか、「いとしい人」でのシンコペーションの落ち着いたリズムキープは古いサンバのように悲しみを表わしていました。同曲、松倉さんが歌い終える間際いつもの松倉節ではなくそっと《いとしい人》とつぶやいた瞬間が素敵でした。松倉さんのラスト「雲」では即興の爪弾きがイベリア半島かどこかの吟遊詩人のようでもあり心に染み入ります。同曲、テンポを増して情熱を秘めたストロークも浄化作用がありました。ちなみに渡辺勝のガットギターはホール近くの化粧版がぼろぼろになっていました。ラストから2番目が「君を待つ」これは短いながらヘヴィな歌、遥か遠くへ連れていく曲。そしてラストに何を持ってこられるかと思いきや「窓の外は」。この歌唱にはヤラれました。2月、西荻窪のライヴでこの曲を初めてライヴで聞いたとき、女性客の一人が泣いていたのが遠くからでも判明できました。今宵のお客はどうかなあと、自分に降りかからないよう逸らそうとしたけど、当方の涙腺がヤラれてしまいました。物販の諸作品は一点を除いて手元にありましたがその一点も勝さん曰く発送したとのことでしたので何も買わずに店を出ました。帰宅するとちゃんと届いていました。