古澤良治郎+三上寛@Tokuzo

地下鉄の階段を駆け上ってみたら今池交差点一帯がイルミネーションに輝いていた…いや、落葉した銀杏の葉が一斉に風に舞い散り、灯りに照らし出されていたのだ。しばらく見とれる。名古屋ウニタで「高橋悠治/音の静寂静寂の音」を発見、求む。2800/3000。Tokuzo風チキンライスはトマトソースと白ワイン仕上げ、自宅でも真似てみよう。開演間際にはフロアが埋まる。若き女性客が多いのが意外。
タイバンはまたしても!小野さん(臼井さんも)参加というので少々油断してウコン酎を呑み出していたら一発目の音で目が覚めた。DEAD LOCK[安井義博(vo.b)臼井康浩(g)小野良子(as)丹羽和久(ds)竜巻太郎(ds)]とりわけ全開ツインDsのへらへらぶりがよい(一人はシンバルを頭に載せたりして、それを繰り返したり)。しかも単に馬力任せではなくリーダーが指揮しながら全体を統括しており緊迫感もあわせている。地元メンバーによる、三上寛のおもてなしとしては十二分な、胸のすく演奏だった。
CD「デレキ」は他所へ注文していたら結局聴くことができずに今宵に臨んでしまった。昨年でも使った表現だが、旧交をあたためることと当時の演奏を再現することとは全く異なる、過去の名曲に適当に重ねていくやり方もあったが、彼らにはありえなかった。曲のほとんどが新曲、三上寛が譜面台に歌詞集を置いたのを初めてみた。とはいえそれも小細工となる由もなく進行中にバラバラと落ちていったりなのだが…。次々と新曲を聴けるライヴっていうのはなかなかない。古澤のDsを生で観たのは初めて。ゆるい。タイバンの後ではとてもゆるい。決して乱れ打ちとはならない、マーチングに似たアクセントが三上の流れを徐々に変えていく。エンディングも例のギターストロークで決めるのではなく、古澤に任せているよう…。終盤、古澤の動きも軽快さを増していったが、ごつごつとしたリズムがやっと当方の体に馴染んでくる。「古澤良治郎、62歳!」とアナウンスされて幕。近年の三上寛といおうか「百合子先生」「美術館」は今宵なし。最後にギターを持たずに(cf.「職業」)、とはならなかった。ウコン酎3杯目をのんで帰路に着く。

  • 小野良子 SOLO & DUO (RRCD-002,CDR)