Shizuoka Acid Forum #9 @Freakyshow

車で日帰りにしようか直前まで迷ったものの雨が降り始めたこともあり運転は控え、近鉄急行+新幹線ひかりで静岡へ。JR静岡駅でムーンライトながらの指定席を求めておく。初めて訪れるライヴハウスFreakyShow、まえもって用意した地図を手がかりに呉服町通りを確認しながらたどり着く。ビル地下一階の、ネーミングからはサイケ色濃厚の趣味趣味ハコを予想していたが、黒を基調としたシンプルなお店。馬場くんに聞けばライヴ使用にあたってもスタンダードな条件とのことで拍子抜け。私はすぐに他人に期待してしまう悪い癖がある。1800円。別にビールを幾杯も。Shizuoka Acid Forumとは馬場陽太郎が主催するイヴェントであるが、UP-TIGHT AUTUMN TOURの初日でもある。客席には出演者を除くと人数は少ない。地方だから、という理由だけでは片付けられないが、前述のハコの条件が染み入ってくる。
sai baba bouzu=馬場陽太郎+小松史明Ds。同一レパートリーのel-gt弾き語りによるヴァリエーションはここ一年以上続いている。今宵、gtのエフェクタは最小限で、Dsが入るとカッティングが切れ味を増しアクションも増す。Dsは以前にも書いたがパルス調のものなのでデュオとして成立する。せっかく入るのならばメリハリ(はったり)をつけてもよいのでは、という感想は実はすぐに持ち時間を終えてしまうことにも拠るのだが、この不満は新曲を、ではなくて、インストルメンタル・パートの充実を、の意味に近い。
柳茶屋。メンバーチェンジ初披露の9月に比べて格段に優れたできばえ。まず古木路子voの声に驚く。PAは関係なかろう、9月、ヴォイスのような発声が萎んでつぶれてしまうときがあったのだが今回はちがう。シャウトといってもディラン風でもジョップリン風でもない、澄みわたるシャウト。古木が開放コードで歌う唄声として納得。自作曲が栄える。更にリズム隊がごり押し一方ではなかったこと。新曲では白旗Dsさんがトイ・ピアノでアクセントを加える。幽玄の世界。後で気づいたのだが、向かって右から照明が強かったのでもう少し左からカメラを構えればよかったのだが、また、KIRAさんのBsがうなる度に機材がぶれてしまうため途中、三脚を浮かして撮影せねばならず。カウンター席の丸太椅子の上に置けばすべてが解決したのに残念。
UP-TIGHT。白旗さんは着替えてハシゴ。青木&白旗が白い服で現れたのがまぶしい。ホームグラウンド以外で観るのは久しぶり。新曲なし、しかし十分な情報を聴衆に与えてくれるバンド。Lucreziaではここでも白旗さんがスネアを担ぎ出し、なにやら引っ掻いて音を生み出していた。今回のツアー、明日の東京が終わると尾形さんは都合で離れてしまうとのこと。
終演後、しばし談笑後、当方が乗車までまだ時間があるのでわざわざファミレスへ移動していただく。今宵出演したバンドのメンバーの中で、お互いに10年以上の付き合いだという話が印象的。ムーンライトながらは2:28発。指定席を予約しておいたが、これが四人掛けセミコンパートメントで、リクライニングもできない一席だった。後で思えば自由席に移動すればなんでもなかったのだがそのままうたた寝。短い夢をみて、6:07名古屋駅着。小走りに近鉄の改札へ行くと6:11の急行に間に合うことができた。なんでも名古屋駅近くで人身事故があったため出発が遅れているという。プラットホームから地上で走り出たところの踏切で、まだ薄暗い中、パトカーの赤色灯が点滅していた。一番電車へとびこんだのだろうか。車内にはなぜかゴシック・コスプレ調の乙女らが大勢乗り合わせたが興味を持つには眠すぎてうつうつと津駅まで。