The Byrds : THERE IS A SEASON (BOX)

Byrdsが抜け落ちていた。Beau Brummelsはモダ〜ンミュージックで教えてもらったようなものだが、Byrdsとなると手元には廉価のベストLPくらい、聴く機会を失っていた。今更、紙ジャケで全作品を揃えるのもしゃくだし、どうしたものか、と悩んでいた矢先、新たなボックス物がリリースされた。国内盤が11月、DVD付だから15%引きで8000円程度だろう、HMVが最安値5500円でダブルスタンプ。いったい解説の翻訳に2500円を費やす輩がいるだろうかと、さっさと輸入盤を入手した。99曲、ディスク4枚にギュウ詰めだからLPにして約8枚分、更にDVD付きでお得である。通勤の片道がLP一枚分の時間だから一週間でいっきに聴けるだろう。しかしながらこのようなアンソロジー物でそのアーティストがわかった気になってよいのだろうか。初期の習作からピークを過ぎたであろう末期そしてリユニオンまで、満遍なく通史を狙った選曲。まるでレコードコレクターズの特集のように。今回は勉強だからやむをえない。いやベスト盤大好き人間としては組みモノのベスト盤としてグッド・タイミングだった。
Disc1:ビートルズ影響下の無数に出現した、無名のガレージもののひとつと言われても気がつかない、若々しい習作に胸をときめかす。バラード物に泣ける。そこから「ミスター・タンブリンマン」への飛躍。しばらくDylanあるいは12弦ギターの爽やかなサウンドが続く。
Disc2:省みればこの盤がいちばん好み。ベストは「Renaissance Fair」。わずか1分50秒でこれだけのドラマはどうだ。これならばオリジナル盤「昨日よりも若く」も買いたい。
Disc3:当方からすれば「どうしちゃったの?細野さん」と驚愕するであろう、一気にカントリー化、ひっかかり少なし。
Disc4:ライヴ・テイクと70年代、そして90年?リユニオンを収録、ひっかかりなし。
Gram Parsonsも勉強せねばならない。最近Rhinoから出たコンプリート盤よりも、Sacred Hearts and Fallen Angels: The Gram Parsons Anthologyのほうがふさわしいにちがいない。