藪沢小屋へ向けて・2

mabuya2006-08-12

伊那ICで降りて、しかしどこへ運ばれるのか居眠りの当方は見当つかず。最終コンビニで明日(といっても2時間後だが)の朝食だけ求む。Iさんは津山さんみやげのスポーツ紙を、さすが。さらにダムを抱えた川沿いを進む。4時過ぎ、仙流荘へ到着。これまで幾度もガイドブックを紐解いて憧れていた地点。駐車場にはずらりと車が並ぶ。山入りしている人から始発のバスを待って車の中で寝ている人の車が並んでいる。少々焼酎を分けてもらってから入眠、2時間は寝られるはずだった。しかし5時30分に拡声器でアナウンスが流れる。北沢峠へ行く人が多いので30分早くバスが出ます、と。ほとんど寝ぼけたままおにぎりを食べ、バス停に並ぶ。ここから南アルプス林道バスに乗って林道を通って北沢峠まで向かう。この林道はバスのみ通行とすることでつくられた道であり橋の手前に関所のような箇所を過ぎるとどんどん高度を上げていく。車中も半分寝ていたが、鋸岳や甲斐駒ケ岳の景色がよい。鹿の親子が道を横切った、子育ての季節だ。北沢峠6時30分着。いよいよ登山である。既に2000mに達している。これまで地元1000m級が最高であり、そもそもスポーツをしてもすぐに酸素不足になることが多い当方、やはりボンベを持参したほうがよかったのか、とかとか緊張する。カヤザワさんは背中の荷物に加えて腹部にも小良品一袋をかかえており、まるで卵を守る魚のよう。スピードは二の次。そこでIさんに付いて進むこととする。Iさんはジーパンに軽シューズ、あちこちの参考書であれほど駄目だと指摘された服装そのものである。ところが軽快に登り道を進んでいく。当方はストックの使い方が慣れず、というよりわかっておらず。○合目という立て札が励みになる。予想より快調に登る。最初の急な斜面が終わると割りと平坦な道が続く。それに曇り空なことも幸い。とにかく各種参考書どおり水分は2ℓ背負っていた。どれほど汗をかいてしまうのか心配だったから。しかし気持ちいい気候。大滝ノ頭まで到達すると「藪沢」の案内板がみえ、いよいよ、という気持ちで夢中で走る。Iさんは「沢の音が聞こえたらもうじき」と言い、たしかに先程から水の流れる音が聞こえ、ロープが張られた細い登山道もすいすいと進む。藪の向こうに小さな屋根が見え(くどいけれど)4年越しの思いが実現した瞬間であった。カヤザワさんコンビのことは既に忘れてた。