溶け出したガラス箱vol.4@Lucrezia

車で浜松へ、車内BGMを先日購入したいずみたくでスタートしたがいまひとつ、渡辺貞夫のTVドラマもの(とりわけ60年代)がすこぶる良く、快調に到着。Lucreziaへは久しぶり。1500円。早めにビール2杯。ストローワルツ、地元のトリオ。ワルツの曲、明瞭な唄、ギター操作など予想外に聞かせてくれる。皆、若い。次が久しぶりのUP-TIGHT。今宵はDAT&VIDEO。全体としてギミックは少ないがパッションのこもった、時間の濃淡を鮮やかに描くことに成功している演奏で、後半、ビデオを持って前列方面へ移動。終曲、青木さんのサングラス外し、白旗さんDs&尾形さんBsもここでない場所へいざなってくれる。たとえばこういうこと、ライヴが終了し会場に流れてきたのはミキシングも十分でないロック・バラード、UP-TIGHTのデモテープかな、と思ったらラリーズだった。美しい歌。今宵のUP-TIGHTでも青木さんのボーカルに比重が置かれた曲(曲名?)も十分に美しい。しかしUP-TIGHTというバンドではUP-TIGHTでなければ得られない空気を僕たちは求める。それは現在のメンバーがUP-TIGHTであるという前提が当然のものとしている。とはいえバンドは生き物であり、人格である。ユリシーズ、東京からの男女デュオ。インプロということだがいくつかの唄がgtとDsによりつながっていく。どちらかといえば女性の唄うことのひたむきさが印象的。後半、ばるるさん(from京都)がgtで参戦、その唄と同質な音を重ねていった。トリがSmells Like A MONSTER(from京都)。赤色回転灯、ストロボ照明、安手のビニル・レインコート、サングラス、「プラスチック」、ボコーダー、etc,etc...数多くの小道具を駆使して行われた。一見、ニューウェイヴのリサイクルであるが、その(馬鹿馬鹿しいと思わせる中の)精緻な構成、奇妙な情熱、馴れ合いの排除、そして照れるということ…当方はいくつものバンドを掛け持ちで活躍し、音楽の女神にめでられた三重県のT**氏を思い起こさずにはいられなかった。帰路のBGMは吉野大作の新作(紙ジャケ)、題材はほとんど単一(中国の河)であるのにボーカルに惹かれ全編、聴き入る。そういえば漢文の先生だったこともうなづける。