望月治孝、馬場陽太郎、向井千惠@Spiral Market

一番新幹線に乗り遅れ、二番電車でいったん帰宅。夕方再度、近鉄〜新幹線で静岡駅へ。2度目の静岡入り、同じホテル、同じ会場ゆえ余裕、釣銭に困らぬようコンビニで買い物して準備。\2000+200。ワインかジュースを選択。1月ではアンプなど置かれていた後壁が取り払われてその分広くなっていた。折りたたみの丸椅子が既に散らばって配置されている。1月より客は多い。若き女性は少ない。自分に近い年配の客もいて、きっと地方在住の向井ファンだろう、さすがと思いきや望月くんの父親だったと後で判明する。親の観戦という事実には心惹かれてしまう。UP-TIGHT白旗さん、尾形さんの姿も。
19時30分、時間厳守の望月治孝から。朗々でもささやきでもない、まるで鳴らすのが難しい管楽器を制御したばかりかのように唄う。奇を衒っているわけではない、たしかに1月より聞かせる。今回は唄〜ピアノ弾き語り〜サックス〜が循環する。PAのスイッチを切れば待ってましたサックス、体の重心をぎりぎり低くし更に前屈させ鳴らす姿に息を呑む。いったいこの静寂と情熱は、いったい。「もっとサックスソロを」「there系」などとお茶を濁していた当方の幻影をあっさり無視して、名状しがたい在りかたへ。
向井千惠。昨夜とほぼ同様のプログラムながら、スィングするような躍動感。太くリズムを刻む音は胡弓のピチカート奏法だ。客席のノリもよし。
仕事の都合か、続いて馬場陽太郎。今年になって観た都合4回の中でいちばんよかった。いつものアルペジオでなくストロークで始まり、ボーカルとともにラフな出来栄えにさて今宵はどうなるものかと一抹の不安は杞憂、すうっとある高みに達して、最後まで緊張を切らすことはなかった。ループは使用されなかった。一人ラリーズ*1という表現をみかけたが身近な比喩をすれば、一人「正午なり河端一」か。
最後に向井千惠と馬場陽太郎+望月治孝のセッション。昨晩同様、向井は舞踏のみ。望月はシンバルほか最小限の構成のパーカッション、馬場はギターを床に寝かせてパーカッシヴな音を紡ぐ。向井はステージから客席にまで浸出、このあたりで当方、三脚に据え置いたビデオを手持ちに切り替えカメラマンに専念する。ビデオ撮りすることで気が散ってしまったのが残念だがまずは収録終える。
打ち上げでは思いがけず豊岡さんともお会いすることができた。2時近くまで。

  • MOCHIZUKI Harutaka - Nazebokunotega (CDR,limited)
  • 望月治孝 - ソロ・ドキュメント2004(Bishop Records) thanks to Mochizuki