Billy Bang, 羽野昌二@Tokuzo

名古屋へ近鉄急行にて。開場が遅れていた。羽野さんと握手。いちばん前のテーブルへ臨む。瓶ビール、レタスチャーハン、キューバリブレ。まず羽野昌二ビリー・バングのデュオ。バイオリンはよく鳴っていた。唄っていたというべきか。優れたPAのせいだけではない、エモーショナルな音。これが終演まで続くのかと思ったら、以降、一セッションごとにロック、ブルース、ジャズスタンダードなどスタイルを次々と変えて演奏を続けたのだ。下手をすると飲み屋のラウンジミュージックか?Tokuzoは飲み屋にちがいないが。この「スタイル」に寄りかからない演奏を支えたのはもちろん羽野昌二の、ロックでもジャズでもないドラミングだが、地元のベーシストがよく反応していた。私はソロをまわしていく、あの、ジャズの、あのスタイルが死ぬほど嫌いなのだが、今宵は手垢に塗れていなかったと思う。とかく「フリージャズ」「ロフトジャズ」という薀蓄、巨匠という先入観で接してしまいがちなアーティストなのだが(当方には)、爽やかな演奏そのもので出会うことができたのも招聘する側の計らいあってのこと。Gongにしかり…。