報恩講勤行@高田派本山・御影堂

夕方、高田本山へ。伊勢木綿を唯一製造販売している臼井織布を訪ね、ごろ寝布団を注文する。既に「お七夜さん」が始まっており、慌しいところであったがさまざまな布地を見せていただき柄を決定した。身近にこのような伝統産業が営まれているとは知らなかった。序でに、といっては失礼だが高田本山にも寄る。生憎、小雨が降り始めており、既に日も暮れかかっていた。的屋の多くは閉まっていて、幕越しに灯りが点(とも)っていても閉店していた。人気のない境内に入り、10年の歳月をかけて大修理が完了したという御影堂に向かうと、音楽が聞こえる。後に紐解けば「初夜勤行」が始まったところであった。上記の寒さゆえ僅か数名の《聴衆》に対し、中央祭壇を挟んで僧らがずらりと並んで座り、右奥手に笙、笛など楽器担当が控えている。重厚なユニゾン合唱に耳を奪われる…これはあまりにハイファイではないだろうか??はたして左右の天井近くにスピーカを発見、かつてバリ島のホテルでジェゴグにあまりの迫力が隠されたPAであったのを思い出させたが、ここ堂内ではよく耳を澄ませば地声とスピーカからの音とを峻別することも可能で、特定の役柄なのか或る僧が立ち上がって《独唱》する際にマイクを離れてしまうのでノンPAの声を楽しむことができる。45分間ほどの《ライヴ》を堪能しお寺を後にする。何かお土産がないかと、これもまた既に人気のない商店街を通れば、吉田屋という和菓子屋が開いていて、そこで「おかめ饅頭」を3色とも2個ずつ求める。以上、これだけの要件ではあったが充実した時間をすごすことができた。