自由次元@KD Japon

今年初の観戦、近鉄急行で。例の中華店ではグループで予約があり残念ながらタンタン麺だけ食べてKD Japonへ。生ビール×3。BGMにタイガースが流れていて、こういう雰囲気ってちょっとちがうんじゃないかなと感じたがそれは誤解でもあった。第一部(バンド名逸す)ごくつぶしのGt+Ds?、栗山純はボーカルに専念し、沢田研二、というよりもジュリーのカバー多し。前ぶれもなくあの名曲が唄われた。また「サティスファクション」などストレートな唄い方は久々のこととコメントされていたが、ロック・ボーカリストとして見事だ。第二部、自由次元、メンバーはGtがGuyさんに変わり、純さんはサイケ色に着替えてギターを持って登場。最初から東洋之が加わって浮遊感かと思いきや音に切れ目の少ない、厚い音で一時間。音数の多い自由次元だった。既に前列のグラスも割れたりでフィナーレを迎えたがアンコールで更にテル・ミー。今宵はわずか1500円+ドリンクで栗山純ワンマンを堪能し帰路に着く。
書き足しておくと、一曲目はすぐにわかった、「気になるお前」、ブギー調のゴージャスな曲。シングル「胸いっぱいの悲しみ」のB面曲でよく知っている、というのも中学当時リアルタイムで買ったから。厳密に言うとシングル盤ではなく「危険なふたり」と「ある青春」とカップリングされたお得なコンパクト盤で。LPを買う小遣いがなかった頃の買い物。二曲目の名曲とは「花・太陽・雨」。この曲のみ過度にもてはやされる傾向にあるが、そういった言説は素通りしても、美しい歌を披露した。沢田研二のカバーはもう一曲「お前は魔法使い」。「ヒットしなかった曲」と紹介されたけれど74年のアルバムの冒頭曲でシングル盤ではなかった。「危険なふたり」の大ヒットで量産された、歌詞に《お前》が連呼される一群の中に埋もれてしまったが、ご機嫌なナンバー。70年代前半、派手派手のファッションでロック+歌謡を歌うことのでき、ジュリーがもっとも無意識に輝いていた(当方の体験が入るものの)時代ばかり、それでいて決してマニアックな楽しみかたに収まらない、言ってしまえば「いい音楽」に遭遇した。元オックスという肩書きがマニア向けのトリビアでもない、説明ではない、堂々たる肩書きだとやっと確信できた。このような第一部を予想していなかっただけに、私は栗山純というアーティストの懐の広さにも感銘を受けた。ともかくも音源がないことが残念でならず、ならばいつもの「記録」に走ってしまうわけだが、この場合、音だけではもったいなくビデオになってしまうわけだ。
更に付け加えれば、栗山純じたい地域で根ざして活動されてきたにちがいない。しかし当方知る由もなかった。この機会もまた河端一経由であったことだ。