高橋悠治 紙ジャケ・コレクション完結

高橋悠治との出会いは不幸であった。ちょうど今回のDENON録音が止まったところがリアルタイムだった。その頃に定期購読し始めた「ニューミュージックマガジン」の「とうようズトーク」で、高橋悠治の演奏中に野次をとばす中村とうようの描写があった。そのイメージが刷り込まれてしまった。大学に入ると水牛楽団が始まった。坂本龍一がらみとはいえカセットを集めたり「水牛通信」を定期購読したりした。90年だったか80年代か、いったい何の支援のためであったか、名古屋で一度だけ生で水牛楽団を観たのを思い出す。メンバーのリズム感は論外であり、中村とうようでなくとも野次を飛ばす気持ちもわからなくもない。そのうえ、インターミッション風に演奏した高橋悠治のピアノ・ソロが端麗で美しかった。今回、まずはインプロヴィゼーションもののみ先行購入したがこれもチャンスと、クレスト・シリーズとの差異も気になるが、2000部限定につられて求めた。もしやサンタナ紙ジャケコレクションに充てるはずの予算が使われた気がする。「ロータスの伝説」について当方も思ったのは、製作者側がいちばん楽しんでいるなってこと。マザーグースレコードにて。