EXIAS-J,望月治孝@静岡BORZOI

近鉄で北上、金券ショップで回数券を求む(名古屋-静岡で5300円ほど)。こだまではなくひかりで静岡へ。いつものビジネスホテルにチェックインしてから会場はすぐ近く。バーの居並ぶ繁華街のビルの2階。ラウンジの柔らかなソファ・セットが並んでいるだけなら自分には用のない空間だが奥の一辺にグランドピアノ、アンプ、ウッドベースなど置かれ、壁面には数々のライヴ写真やポスター、ジャケットが飾られており、ライヴの場としてふさわしい。開演は8時半とのこと、早く着き過ぎてしまった。毎度ながら初めての場所では固くなってしまっていたので店長も扱いかねたかもしれぬ。こんなとき旧知の来客は嬉しい。開演頃には30人弱で埋まる。常連だろうか年齢層の高い客が多い。当方のようにビデオ×DAT×カメラと重装備して臨む者はたれもいない。とはいえせっかくなので図々しく全て行使、しかし後で聴くと録音レベルが相当低かった、普段から自分がいかに大音量に晒されてきたか。望月治孝はサックスのみ2曲。「2曲」というのは最初に司会者たる店長からそう紹介されたから。曲数をカウントされたライヴも初めてではないか。これまでに自分の観た望月くんのソロの形態、僅かな時間内に表現手段を頻繁に移ろわせながら緩急を極める形態ではない、その中の、もっとも困難な僅かな一部分を取り出して更に伸展を加えていくような作業に感じられた。体の前屈の度合いは少なめ、ブレッシングにあわせて上体が激しく揺れる、望月くんの頬がぷっくりふくらむのも初めてクリアに観た、とはいえ浪々と「歌う」わけではない。これまでサックスのパートではSpiralMartの空調のスイッチを切る「特権」が与えられていたほどだが、そこに制約されることなく、その場(文脈)の変化、共演者が変わっていくことでソロ・スタイルがどう変遷していくのか、見届けたい。その点で本日共演なし、もまた正解かもしれぬ。たしかに2曲で10分ほど。休憩挟まずEXIAS-Jがステージへ、テキパキとした流れ。 中央に大柄の二人、狩俣道夫 (fl,sax), 河崎純 (cb)が並び、左右両脇を近藤秀秋 (gtr)、谷川卓生 (gtr,perc)が固める。このメンバーでの演奏は初めてという。近藤のフラメンコタッチの導入部から始まり、武満徹風?、ギターデュオ、高柳昌行「Herdman's pipe of Spain」ほか。一曲々々が十数分で簡潔する、この展開もEXIAS-Jの好ましい特徴。狩俣さんのフルートほか演奏が美しく、意味ありげなものも排した、無駄のない演奏と受け止めた。途中、エレクトリック・セットも挟み大サービス(エンタティンメント!)。