しばいたんねん@不思議の国のアリス・天王寺

夕方より車で伊賀神戸まで。途中サークルKで慌てて発進したためエンジンの排気が異常を示し焦る。近鉄にて鶴橋〜JR、二度目の天王寺下車。そして、二度目の不思議の国のアリス。既に遅れて記載のため印象記を。クリトリック・リス。手動のリズムマシーン奏者の前で丸刈りTシャツ姿からあっさり黒のTバック一枚となって始まる。既にぽんすさんから指摘されたようにクラシックな芸風、シモネタを自明としてどれほど語ることができるのか、これこそ元祖ラップ=語り物の系譜に連なるのではないか。前思春期のイノセントな逸話で畳み掛けていくのも(しつこいが)アシッドな感覚に連なる。ただ「一休さん」ネタは本日披露しなくても十分だった。まる福。機材トラブルあり「フランキーの涙」は不完全燃焼なるも、「割れた鏡の中から」からフクゾウさんのボーカリゼーションが復調し、所持したビデオのファインダーから思わず魅入る。しかしこのビデオ撮りはなぜか途中からしか録画できていなかったのだ、すみません。私がまる福。に惹かれたのも、フクゾウさんの切ないボーカルとその後ろで鳴り響く天野さんの透き通ったギターの組み合わせだった。さてここからだが、決してナルシスティックに陥るはずなく、ライヴでは夫々が過剰となっていくことは嬉しい誤算でもあった。しかも、パンクとかニューウェイヴとかアシッドフォークとかのイディオムで語られてもパワーを減らすことがない工夫が施されており、その方法として、アンダーグラウンド業界標準であるマニア化をとらないのが、現代では奇跡のような存在。沈着冷静で、幕間にも場を仕切っていく天野さんの姿がまぶしい。そして、ミドリ。はたしてビデオを担いで最前列に居合わせてよかったのか、後でsuharaさんへ釈明もしようが、あふりらんぽのときと同じく失礼のないよう配慮したものの、しかしこれはビデオクリップ足りえず、ただ、その場に居合わせるしかないライヴだから。Hajime鍵盤blogの表現をなぞれば「父親の世代」でも熱くさせるものだから。