ブライアン・ウィルソン@愛知厚生年金会館

近鉄特急にて名古屋へ。地下鉄池下で下車。愛知厚生年金会館はかつてジャクソン・ブラウンアストル・ピアソラで訪れたことがある…「復活」後の初来日1999年では当初予定していなかったが発売日をとうに過ぎて前売を求め、大阪の、かなり後方の席から観戦した。前回2002年からBBFUN鰐部さんのおかげでよい席にありつけるようになった。4列目で狂喜して臨むとステージ後ろからの照明が直接目に差し込み目潰しをくらった。瞬きしたら既に目の前にブライアン・ウィルソンが立っていた。今回は最前列ほぼ中央、照明の位置も大丈夫。ブライアン本人と3mの距離。クアトロより近い。ブライアンと自分を隔てるものはキーボード一台である。後ろを振り返らなければTOKUZO状態である。とにかく近い。これで10500円は格安である。第一部、ブライアンを囲んだセッションはあたかもライヴハウスで観戦しているようなものである。たしかに演奏の出来ばえに満足するような表情もみせる。機嫌が悪いわけではなかろう。だが演奏途中での咳き込みがしばしばで幾度もカップに手を伸ばす。声は前回のほうがよく出ていた(til I dieのファルセット)。手振りを交えて歌うのがみどころとはいえその表現力は余興である。舞台へ登場するとき、両腕をだらりと下げて幾分猫背気味の姿勢も気になっていた。キーボードの両脇に据え付けられたディスプレイに歌詞が映し出されているのだろう、過去の自作でさえ覚えていないのか、いやそういう問題ではない。これはよくある、ベテランの余生を過ごす、ショービジネスとは一線を画する。逆にそんな平和な音楽生活を過ごせたならと思う。来日も定例化して…と揶揄するコメントがネット上でみられたがそんな余裕はない。一つひとつの異なるコンセプトのもとで企画された挑戦である。もし「Pet Sounds」「Smile」というコンセプトがなかったら、ここまで音楽活動を酷使することはなかった。厳寒の日本にやってきたがためにインフルエンザなどに罹患せねばよいがと願いつつ目の前で繰り広げられる生SMiLEを見届ける。名古屋の入りがいまひとつということもあって嬉しいやら何やら申し訳ない気持ちでいっぱいとなり、精いっぱい声援する。おかげで声がしゃがれた。終演後、ロビーで正午なり、石田夫妻に会った。そういえば最前列にいっしょに連れて来た小学生の子どもにも一席用意しただろう夫婦がいた。brian wilson