GS映画

NECOでグループ・サウンズ映画特集をやっていたので一気に4本録画する。HDDだからできること。ザ・スパイダースの作品は現在もDVD化があまり進んでいない。かつて黒沢進さんからダビングサービスで入手した経緯があり、それらのVHSは保存してある。また演奏シーンのみを集めた「GS映像図鑑」なるVHSもあった。思えばすべては黒沢進に始まる。ジャックスを教えてくれたのも同じく。今回、斉藤耕一監督作品(松竹)が2つ含まれている。既にセル・ビデオで入手済みだがこれらもまた黒沢進の尽力で世に出たものなのだ。これが売れれば他のビデオ化も可能という話であったが、結局続かなかった。。「小さなスナック」では、カウンターで唐突に、まるでドキュメンタリーのように、切れ目なく独白を続ける若きジュディ・オングをアップでみせるシーンがチャーミング。さてヴィレッジ・シンガーズ主演と侮ってはいけない。もちろんヴィレッジ・シンガーズ唯一のガレージ・ナンバーとかレコードではストリングスのムードGSがバンド演奏で聴ける、といった話はさておいて。アイデンティティ崩壊を間近に控えた昭和40年代前半の空気を、ファン・サービスやら風俗記録やらに留めることなく、つかの間の開放感とある種の重苦しさが同居する斎藤耕一監督作品は「落葉とささやき」で頂点を迎える。ある方は《ペット・サウンズのような味わい》と評した。その後、その重苦しさから逃れるように《南方》を目指して「海と空と愛と」が製作された。全篇演奏シーンのみという本作は未公開に終わった。ところでこの映画が今春上映されていたことを後に知った。どのような作品だったのだろう