佐渡山豊@ええかげん

夕方、河芸へ。名古屋とも20名程度の観客。往復の航空運賃が出るのだろうか、なんていう心配も抱いてしまう。しかし宣伝すれば増えるライヴではない、ということにも気づく。ええかげんでは終了直後、主催者の濱地さんが客一名々々の名前を呼んで感謝を表していた。逆をいえば未知の客がいないということだ。では私はというと、復活後にファンとなったきっかけはなんだっただろうか。それは「沖縄音楽としての佐渡山豊」から入ったのはまちがいない。たしかに「復活」前からLPレコードは集めていた。その場合でも私の頭の中でのジャンルは「沖縄音楽」だった。
周縁はさておきライヴ。人類館事件を歌った新曲は最初、山之口貘の作かなと思ったくらい、どこを突ついても風刺のかたまりだった。どの立場に立てるのか、どの立場にも立てないような内容の事件。曲はいたってシンプルなつくり。とつとつと語りかけられる唄であるが……ただひとフレーズ《だれもがあきれた》に違和感を持つ。ほんとうに《だれもが》なのか、おそらくその後の独白に連なる前口上であろうが……早い段階で情緒を規定してしまいはしないか、《あきれた》よりも言葉を失うのではないか……えらそうにどうしても記しておく……